2008.09.15 |
千葉県松戸市にある |
幸田貝塚公園 上野から常磐線で40分、北小金駅が最寄り駅だ。バスで10分ほどの住宅街の中にある。がらーんとした普通の広場である。地元の人もここが貴重な縄文史跡だとは知らないようだ。 |
幸田貝塚の説明板 | 竪穴住居の発掘現場 |
松戸市立博物館 JR武蔵野線新八柱駅、新京成八柱駅からバスで10分。立派な博物館だ。 どうしてだろう。企画展が開かれると展示されるが、その時はなぜか写真撮影が禁止になる。せっかく素晴らしい縄文土器を多数所蔵しているのに、市民はその素晴らしさを十分に味わえない。不思議な展示方針だ。 |
関山T式土器 (松戸市立博物館編「縄文時代の東西」より) |
写真撮影が出来ないので、企画展「縄文時代の東西」の資料から転載させていただいた。 いずれも幸田貝塚出土の土器である。 |
深鉢型土器 (松戸市立博物館所蔵) 繊維が混入された土器の代表で、羽状縄文系土器群の関山式土器に分類される。 複雑で美しい縄文が器面全体に施される。 前代の撚り糸文系の気分を引き継ぐが、左撚りと右撚りの縄文原体を密着させ、同一方向に回転させながら押捺すると得られる、綾杉状の美しい縄文を複雑に絡み合わせる。まさに縄文の極地と言えよう。 |
深鉢型土器 (松戸市立博物館所蔵) 口縁部の鋲のような球状の突起が印象的。胴部の縄文も複雑な幾何学模様を描き、見ていて飽きない。底は尖底から平底に変化している。 |
関山U式土器 (松戸市立博物館編「縄文時代の東西」より) |
関山T式で見られた口縁部の文様が退化し、代わって口縁部には注口状の片口が付く。 片口注口を持つ土器は、この時期だけの特殊な器形で、不思議なことに後代にはほとんど受け継がれなかった。 |
深鉢型土器 (松戸市立博物館所蔵) 注口の両端部に突起を持つものもある。胴部の縄文はさらに複雑化する。 |
深鉢型土器 (松戸市立博物館所蔵) |
鉢形土器 (松戸市立博物館所蔵) 片口土器の他、上図のような鉢形や、椀形、台付き土器など多様な器形が出土した。 主なものは国の重要文化財である。 |
竪穴集落の想像模型 (松戸市立博物館) |
放射性炭素C14による年代測定 (松戸市立博物館) 放射性炭素C14は5,730年で半減する。その性質を利用して、遺跡出土の有機物の炭素量から、過去の年代を測定することが出来る。この測定法によると日本の縄文時代の開始は、長崎県福井洞穴遺跡の12,700年前にまで遡る。 この測定法で表す年代を放射性炭素年代と呼び、BP(Before Present)と表記する。核実験の影響を受けていない1950年を基準としている。 最近では、この年代測定を樹木の年輪年代や、サンゴのウラン含有量などによって誤差を較正した、較正年代が使用されるようになった。calBPと表記し歴年代と呼ばれることもある。 |
縄文紀行 |