25.志摩国 三重県阿児町国府  近鉄志摩線鵜方駅  98.10.10



志摩の国は小さい国である。英虞郡、答志郡の2郡で構成する。耕地面積も
小さく、中央への租税はもっぱら海産物であった。


志摩国府?

志摩国府は、今の阿児町に国府という集落があるので、ほぼ推定される。
国府白浜海岸のある、風光明媚なところだ。
訪れた日は秋の日が燦々と輝く絶好の日和で、サーフィンに興ずる若者で
賑わっていた。



国府神社(志摩国総社?)

国府神社という名の神社を見つけた。旧道の突き当たりにそれはあった。
志摩国の総社であろうか。

祭神は正哉吾勝勝速日天忍穗耳命(まさかつわれかつかつはやひあめのおしほみみのみこと)。天孫瓊々杵命(ににぎのみこと)の父神である。
明治までは八王子社と称していたという。




拝殿はなかなか美しい。



志摩国分寺

志摩国分寺は国府神社から北へ少し上ったところにあった。
今は天台宗になっているとか。



結構由緒を感じる山門。



本堂。掃除をしていたおばさん(失礼、多分ご住職の奥さんらしい)に聞いたら
江戸は天保の頃の建築とか。今の竹中工務店の祖先が作ったとの記録が見つ
かったそうな。




志摩の国分寺は、志摩の国だけでは維持できずに、伊勢、尾張、三河の租税を
あてている。日本後記によると、大同4年(809)にはついに志摩国分寺の僧尼を
伊勢国分寺に遷してしまい、志摩国分寺は実質的にはこの時廃されたと考えられる。



志摩国地図


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