クラシックカメラ銘々伝
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ゼンマイ仕掛けのロボット

ロボットはナチス時代のドイツ空軍の制式機として有名である。ゼンマイによる自動巻き上げ機で、メッサーシュミットなどの戦闘機に装備されて、幾多の戦果を撮影した。


1931年のプロトタイプから1934年のロボットⅠを経て、1939年ロボットⅡ型によってほぼ完成した。ドイツのオットー・ベーニング社の製品である。

ロボットⅡ (1939年)

 
 Robot Ⅱ

ロボットⅡ型は1939年発売以来、10年間に7万台が作られたという。ダブルカセットで供給側のマガジンをTカセット、巻き取り側のマガジンをNカセットと称する。Tカセットは通常のパトローネと近似形であるが、初期のものはフィルム室にカセットストッパーの突起が出ていて、そのままでは現代のパトローネが使えない。私の手元に来たロボットⅡは、幸いにも普通のパトローネが使える。といっても巻き戻し機構は無いから、暗室で供給側のパトローネに巻き戻すか、そのままNカセットをDPショップに持ち込むかしなければならない。

 
 旧型  新型
ロボットのフィルム室

Tカセット、Nカセットは裏蓋を閉めると、裏蓋に付いているピンによって、フィルムゲートが開くようになっている。巻き上げ時のゼンマイの負荷を減らすための工夫だが、大変合理的な機構である。

通常のパトローネを使うと、巻き取りに負荷がかかって、うまくフィルムが送れないことがある。このカメラの要注意点だ。

 
 
 左:Tカセット   右:Nカセット

普通の35mmフィルムを使うが、画像は24×24なのでDPに出すときはあらかじめ断っておいた方が良い。船橋のビッグカメラは気分良く現像してCDに焼いてくれた。

このロボットⅡ型は、AJCCのS氏から譲り受けた。ロボットの標準レンズはシュナイダーのクセノン40mmが普通だが、このカメラにはドイツの名門ローデンシュトック社のヘリゴン40mmが付いてきた。かなりの珍品である。

 Heligon 40mm F1.9
 
 Robot Ⅱ+Heligon 40mm F1.9

2015年4月27日、いつもの小岩菖蒲園だが、菖蒲の代わりに菜の花が満開だ。遠足の子供達をロボットで狙った。
 
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鯉のぼり 遠足
菜の花と鯉のぼり。明るい子供達の声に、私も元気をもらってきた。

春の子供
なんだか色がおかしいな。青空がくっきりしない。ロボット名物の横向きファインダーで狙ったのだが。

   
谷中にて 
娘と2人で谷中へ出かけた。ウイークデイなのに谷中銀座は外国人観光客で超満員。これもアベノミックス効果だろうか。

Tele-Xenar75mm F3.8
 Robot Ⅱ+Tele-Xenar 75mm F3.8
AJCCの先輩I氏のコレクション。望遠用のファインダーは、通常のファインダーに狭い画角のカバーをはめるだけという単純なもの。思わず笑ってしまった。ただ単純とはいえ質感の高さには驚く。さすがドイツ製だ。

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ホコ天撮影会
2015年5月31日、今日はAJCCの写真の日記念ホコ天撮影会だ。天気予報が外れて、爽やかな五月晴れだ。銀座は中国の観光客で賑やかだった。

小岩菖蒲園にて
3分咲きの菖蒲園。望遠レンズを付けたが、私のカメラにはなぜかファインダーが付かないので目分量だ。ファインダーといっても画角を小さくするだけだから、目分量でも大差は無いだろうと横着を決め込んだ。


Xenagon 30mm F3.5
Robot Ⅱ+Xenagon 30mm F3.5 
このレンズもI氏のコレクション。明るいところならほとんどパンフォーカスで撮影可能。

 
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悪戦苦闘 かっこいいね!
AJCCのT氏は古色蒼然たる骨董カメラに挑戦。写るのかなあ。集合時間の1時間半も前から、準備に余念が無い。

銀座の歩行者天国は子供達にとっても天国だ。

釜飯鳥ぎんにて
撮影会が終わって、仲間と釜飯屋。ビールがうまかった。なぜか約1名、写りがいやに薄いなあ。

このカメラはゼンマイが弱くなっているらしい。パトローネからの巻き上げが不安定で、コマ間がダブったりして安定しない。なかなか使いこなしが難しいカメラだ。


ロボット ルフトワッフェン (1939年) 
 Robot Luftwaffen-Eigentum+Tele-Xenar75mm F3.8

ロボットの空軍仕様である。ナチスドイツの爆撃機メッサーシュミットなどに搭載されて、イギリスのスピットファイアやアメリカのグラマンを撃墜する瞬間を記録したカメラである。空軍司令官の名前からゲーリング・アイと呼ばれる。ドイツ空軍には1939年から終戦までの6年間に、2万台が納入されたという。

Luftwaffen-Eigentumの刻印
ボディーとレンズにLuftwaffen-Eigentumと刻印されている。Luftwaffenは空軍、Eigentumは所有のドイツ語である。市販品にはROBOTのネームプレートが貼ってあるが、空軍仕様は塗装である。数種のバリエーションがあるらしいが、私の手元にあるカメラは、三脚孔はふさがれているし、シャッターも100,250,500しかない。もちろんフラッシュ接点も無ければ、レンズのヘリコイドも無く無限遠固定焦点である。驚いたことにファインダーまで省略されている。

機関砲の照準に合わせて固定したのだろうか。それにしてもシャッターは誰がどうやって切ったのだろう。謎多きカメラである。

 ナチスドイツの爆撃機メッサーシュミット
 
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ケロちゃん 六地蔵

巣鴨の風景
軍用のロボットにフィルムを詰めて巣鴨の街を撮った。ファインダーが無いカメラで、固定焦点の望遠レンズで撮るというのだから、まともな写真は撮れるわけがない。それでもなんとかものになった4枚をご覧にいれる。実用性は全くないカメラだが、それはそれで面白いのだから、この趣味にも困ったものだ。


ロボット・ヒストリカで謎解き
ロボット・ヒストリカ Claude Bellon著 中村信一訳 朝日ソノラマ刊

ロボットのことを調べるのにほとんど唯一と言ってよい資料が、ロボット・ヒストリカである。2000年に日本語版が発刊されている。今では手に入れることが難しい幻の書籍だ。その貴重な本をAJCCの先輩から譲っていただいた。

さっそくルフトワッフェンの項を開くと、私の謎はいとも簡単に解けてしまった。戦闘機にセットして、どうやってシャッターを切るのだろうと思ったのだが、なるほどこういう仕掛けだったのかと納得したのだ。

 
電気シャッターを装着する金属製のケース 

鋳鉄製の頑丈なケースで、電磁レリーズがセットされていて、その電源は航空機側から供給されている。 これでフィルム1本分のゼンマイを巻いておけば、あとは敵機を打ち落とすたびに自動的にシャッターが切れ、フィルムが巻き上げられるというわけだ。

 
敵機を捕らえたロボットの画像

 上の3点の写真は、いずれもロボット・ヒストリカからの転載である。
 
 
 






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