クラシックカメラの話題集

ボルタ判であそぼ 謎のバンタム判 愛しのコニレット カメラ索引 テッシナの秘密 110復活


110復活!! 
 Pentax auto 110  Minolta 110 zoom Minolta110zoomSLR MK2  Canon110ED  Rollei E110
右からキャノン110、タイガーボーイ、ミノルタ110ズーム、ペンタックスオート110)
2012年、110フィルムが復活した。朗報である。ロモグラフィーが110フィルムを復活したのだ。快挙である。早速インターネットで購入した。カラーネガと白黒がいずれも1本780円だ。現像は熊本のトイラボが便利だ。フィルムを郵送すると、デジタル化してCDに焼いてくれる。返送の前にネットにアップしてくれて、ダウンロードできるので嬉しい。
(下の写真をクリックするとロモとトイラボのページへリンクします。)
lomography 110 film Toylab
トイラボでの現像とCD化は、解像度によっても違うが、1672円のコースだとA4までプリントが可能だ。

早速、ロモのフィルムをペンタックスオート110に入れて、近所の撮影スポットへ試写に出かけた。

ペンタックスオート110 (1979年)
Pentax auto110
右から50mm、クローズアップレンズ、18mm付ペンタックス、スカイライトフィルター、24mm、70mm
このカメラは赤の特別色で、とにかく可愛い。それでいて交換レンズから、ストロボ、ワインダーまで各種揃ったシステムカメラなのだ。しかも、LR44が2個で動く全自動カメラでもある。これが復活するだけでもわくわくするのだ。

まずは18mmの広角レンズをつけて、近くの公園やお寺に試写に出かけた。35mm換算すると35mmの広角といったところだろうか。

Pentax auto110+18mm
(クリックすると大きくなります。)
江戸川の風景 中山大仏

季節外れの菖蒲園 ミーアキャット
うん、うん、ロモの雰囲気だ。セピア色の懐かしい味だ。最初だから原宿のロモショップへ持ち込んだが、郵送でも受け付けてくれる。依頼してから1週間で出来上がってくる。

今度は70mmの望遠レンズをつけて、上野動物園に行ってみた。35mmの画角に換算すると、140mmの望遠レンズということになる。

Pentax auto110+70mm F2.8
(クリックすると大きくなります。)
ハシビロコウ ハスの花
ハシビロコウはさすがの迫力だ。粒子が粗いのはロモのフィルムのせいだろうか。レンズは柔らかい描写をしているのだが。

子供1 子供2
白人の子供は絵になるなあ。悔しいけど黄色人種より断然フォトジェニックだ。

手のひらに乗ってしまうほど小さなカメラでありながら、広角、標準、望遠、さらにはズームレンズまで取りそろえたペンタックスオート110は、確かに楽しいカメラだ。

本格的システムカメラに見えるが、レンズはF2.8の解放固定で、ボディー側のプログラムシャッターで、自動的に絞りとシャッターが決まるという初心者向けのお手軽さが、なんとも奇妙なバランスを保っている。このカメラが人気を博したのは、見た目は本格派だが、撮影の設定は簡単で失敗がない方が良いという、人情の機微を突いたところに秘密があるのかもしれない。


ミノルタ110ズーム SLR (1976年)  
 
 Minolta 110 zoom SLR+Zoom Rokkor -Macro 25-50mm F4.5
ペンタックスより3年前1976年に発売されたミノルタ110ズームである。一眼レフだが独特のデザインで、なかなかかっこいい。

2014年秋のAJCC写真展に群馬から来てくれた高校時代の友人U君が、 土産にと持ってきてくれた。現役の頃、アメリカで買ったのだという。検査協会の合格証が貼ってあった。

電池を入れたら動き出した。絞り優先の自動露出機だ。レンズの左の黒いダイヤルは、内蔵露出計と絞りダイヤルだ。露出補正も付いた本格派だ。

(クリックすると大きくなります。) 
佐原の樋橋 木のある風景
このカメラに付いているズームロッコールは、10群10枚という贅沢な仕様で、極小の画面にしては大変優れた描写力を発揮する。

君ヶ浜にて(2014.10.19)
AJCC2014年秋の撮影旅行は千葉県の佐原だったが、修理研究会のメンバーは銚子まで足を伸ばして、秋晴れの君ヶ浜を散策した。

コスモス セイタカアワダチソウ
マクロ撮影も可能だが、ポロミラーのファインダーはマクロのピント合わせは、かなり難しい。

 
ミノルタ110ズームSLR マーク2 (1980年)
Minolta110zoomSLR MK2+Zoom Rokkor Macro25-67mm F3.5
ペンタックスオート110の成功を見て、翌年ミノルタが世に送ったのがこのミノルタ110ズームSLRマーク2だ。ペンタックスとはまったく逆の方向を狙ったカメラで、レンズはズームレンズにして、交換の手間を省き、絞り優先AEにして全自動のペンタックスより上級層を狙った。

このレンズはマクロモードにすると、最短9.5cmまで寄れる。さらにファインダーはアイピースシャッターや視度調節まで付いた本格派。機能的はなにから何までペンタックスを上回ったが、それだけボディーは大きくなって、ペンタックスの可愛らしさは無くなった。

110という小さなフィルムを使うカメラに、これだけの機能を求める人は少なかったようで、売れ行きは芳しくなかった。メーカーの独り相撲に終わったカメラだったが、逆に今では稀少なカメラとして、中古市場で高値で取引されているのは皮肉な結果である。

(クリックすると大きくなります。)
ハスの花 ハシビロコウ
どうもAE機能がいかれているようで、露出がアンダーになってしまう。ロッコールの描写も甘いように感じる。レンズのせいなのか、フィル現像のせいなのかはわからないが、ちょっと不満が残るところだ。

このカメラはストロボ同調のXモードにすると、シャッターは1/100秒固定になる。そこで絞りもマニアルにすれば、AEがいかれていても写真は撮れる。それで試してみた。オールAEカメラを、オールマニアルで使うといった窮余の一策である。

サイ
ズームレンズは確かに便利だ。レンズ交換するよりもはるかに早く理想の画角を得られる。現在ズーム全盛なのが、この二つのカメラを撮り比べてみるとよくわかる。

祭りの準備 レトロな風景
Xモードにしてのマニアル撮影は成功した。これはこれで十分に使えるカメラになった。


キャノン110ED (1975年)
Canon 110ED+Canon 26mm F2
これはキャノンが出した110カメラだ。ごくオーソドックスなスタイルだが、110カメラとしては世界で唯一のF2レンズを搭載し、距離計連動という高級機で、発売時の価格は34,000円という高額であった。このカメラから110カメラの高級化が始まり、前出のペンタックスやミノルタの高級路線につながっていく。

使用電池は現行品の4LR44だから安心である。
(クリックすると大きくなります。)
新宿モード学園 江戸川
自動露出はコントラストが強すぎると多少オーバー気味になるが、おおむね良好である。ファインダーはブライトフレームがくっきりと浮き出て見やすい。2重像も大変クリアーで、さすがキャノンだという印象である。

居酒屋 パンパスグラス

写真工業誌2008年6月号に、キャノン110EDの解説記事が載っている。各部の解説図を下に引用する。


ローライE110(1976年)
Rollei E110+Tessar 23mm F2.3
可愛いローライがやってきた。イギリスのヨークシャーから海を越えて。超小型カメラとしてはミノックスと並ぶ高級機だが、ミノックスの精密感とはひと味違ったキュートな印象である。一目見て惚れてしまった。電池は本来ならPX27(5.6V)だが、市販のLR44を4個使えば問題なく駆動する。それにしても小さい。それでもレンズはテッサー23mm、距離はゾーンフォーカス、絞り優先の本格的EEカメラなのだ。

ローライは1975年、110フィルムを使う超小型のローライA110を発売する。ローライブランドの高級機ということで、販売価格は62,800円もしたが、このカメラはシャッターも絞りもカメラ任せの全自動EEカメラだった。翌76年に絞り優先EEのローライE110を廉価版として発売する。今となっては、廉価版のE110の方が絞りの自由度があるだけ面白い。絞りは4段階でフラッシュ、F16、F5.6、F2.8。シャッターは4〜1/250までの電子シャッターである。

ローライE110は、ドイツ製とシンガポール製があるが、私のところへ来たカメラには、Made in Germanyと刻まれていた。ちょっと得をした気分だ。レンズはテッサーだが、ツァイスのライセンスでローライが生産しているTessar made by rolleiである。豆粒のようなレンズだが、3群4枚構成の本格派だ。


(クリックすると大きくなります。)
坂下門 お堀の白鳥
コルゲンかえる 大手町にて



クラシックカメラの物語


ご感想などお寄せください
Email komatsu@st.rim.or.jp