クラシックカメラの話題集

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ベスト判に挑戦   Orion Rio84 Vollenda48 Foth DerbyU Yashica44 A
Kodak Kodacolor 127
かって世の中には写真で見るような127というフィルムが存在した。巾46mmのロールフィルムで、遮光用裏紙とともに巻かれていた。

1912年というからもう100年以上前のことだが、アメリカのイーストマンコダック社が、このフィルムを使いチョッキ(ベスト)のポケットに入る小型カメラを発売して、大ヒット商品となった。世界最初の量産カメラベストポケットコダックである。以来、このフィルムはベスト判という愛称で呼ばれることになる。

このフィルムを使うカメラはベスト判カメラと呼ばれ、ベストポケットコダックの大ヒットで、世界各国のメーカーが参入し、多くのベスト判カメラが生産された。非常に小型で、可愛いカメラが多いことが特長である。

Vest Pocket Kodak(米)  Picolette(独)

1995年、コダックは127フィルムの生産を中止してしまった。しばらくはクロアチアやカナダなどで、小規模に生産が続いていたが、だんだん手に入らなくなってきた。それなら、自分で作ろうではないかと、AJCCは例によって無謀な挑戦を始めるのであった。

リコーフレックス カッターの刃を組み込む

まず古いリーコーフレックスを探してくる。たくさん売れたカメラだから、安い中古品がジャンクコーナーに転がっている。そのフィルムガイドに46mm巾にカッターの刃を組み付ける。

ブローニーフィルムをセット カットされたフィルム

これにブローニーフィルム(120)をセットし、裏蓋を閉めて普通に巻き上げていけば、カッターによって46mm巾のフィルムが出来上がる。暗室か暗箱の中で、裏蓋を開け、切れたフィルムを取り出し、準備しておいたベスト判用のスプールと、裏紙に巻き付けて出来上がり。

ベスト判フィルムの裏紙
上の数字:ベスト判(4×6.5cm) 
下の数字:ベスト半裁判(4×3cm)

オリオン リオ84 ルクサス (1924年)
 
 Orion Rio84 A Luxus+Anticomr 75mm F4.2
非常に珍しいカメラが私の手元にやってきた。ドイツのオリオンヴェルクというメーカーが作っていた、Rio84のルクサス仕様である。

このメーカーはRioという名の大判、中判のハンドカメラや、フォールディングカメラを各種作っているが、このRio84はベスト判である。ルクサス仕様でなかなかかっこいい。1924年というからライカの1号機が出る1年前の発売である。

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夕時の噴水 曇りの日時計

気難しいカメラである。まだ、満足いく写真が撮れない。絞りの表示が変わっていて4.2、6.3、9、12、18、25と並んでいる。いつも露出が不足する。晴れた日に再チェレンジしてみよう。

紅葉 秋の新宿御苑

人形町のカメラのロッコーで、ベスト判の現像をしてくれることになった。船橋からは恵比寿よりだいぶ近いので助かる。ただ、現像だけでプリントはダメ。そこで前述の簡易型スキャナー、デジカメでの直接撮影だ。前回はマイクロニッコールを使ったが、今日はパナソニックのG.VARIO LUMIXを使った。オートフォーカスだから簡単だ。


快晴の新宿御苑。始まった紅葉を狙った。絞り値が戦前数値なので勘が狂うが、慣れればどうということはない。今回は露出の失敗は無かった。簡易版スキャナーもおおむね満足すべきレベルになった。

フォレンダ48 (1931年)
Vollenda48+Radionar 5cm F3.5

のちにレチナを生み出すオーギュスト・ナーゲルが作った、ベスト半裁判のフォレンダである。 AJCCの先輩K氏が譲ってくれた。小型でかっこいいカメラである。

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千葉公園 大賀蓮

さて、フィルムは何とか用意できたが、現像を受けてくれるDPショップが少ない。東京では唯一、恵比寿にある大沢カメラだけである。千葉の大賀蓮を撮って、恵比寿まで持ち込んだ。出来上がりを見てびっくり。これは異次元の美しさだ。ベスト判にはまりそうな予感がする。

大賀蓮



フォス・ダービーU (1931年)
 Foth DerbyU+Foth anastigmat 50mm F3.5

ドイツのFoth社が作ったダービーである。日本では一般にデルビーと呼ばれる。小型だがずっしり重い。なんとフォーカルプレーンシャッターを装備しているのだ。1/25〜1/500という本格派だ。しかし、レンズ交換が出来るわけではない。不思議なカメラである。作りはしっかりしていて、高級感がある。

モデルは数種あるようだが、写真のカメラはセルフタイマーが付いたU型であろう。構造はいたってシンプルだが、故障しにくい優れた設計だ。

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浅草にて 人力車
当時、流行したベスト半裁判(3×4cm)である。正月準備が整った浅草で試写してみた。ファインダーが思ったより見にくい。
浅草寺本堂 懐かしいチンドン
写りはすっきりしていて良い感じだ。


ヤシカ−44A (1960年)
 Yashica-44A+Yashikor 60mm F3.5
ベビーローライそっくりのヤシカ−44。1958年に出て、すぐにローライからデザイン盗用で訴えられた.。1年前に発売されて大人気を博したベビーローライは、アメリカで133ドル65セントだったが、それと色も形もそっくりのヤシカ−44は59ドル95セントで売り出されたから、さすがのローライも黙っていられなかったのだろう。

写真のヤシカ−44Aは、ヤシカ−44の普及型で、オート巻止めを赤窓式にし、シャッターを1/500から1/300にした。今で言うパクリ商品なのだが、作りはしっかりしていて可愛いので気に入って使っている。

ベスト判フィルムを使って4×4cmの正方形の写真を撮る。ベスト判フィルムを扱ってくれるショップはほとんど無い。そこで、スキャナーの代わりにデジタルカメラで直接フィルムを写したらどうなるか、AJCCでそんな話題が出て早速チャレンジしてみた。

ルミックスG1にマイクロニッコールを付けて直接撮影。

まず小型のLEDビューワーと無反射ガラスを購入、早速実験である。試行錯誤した結果が、ご覧の写真である。十分スキャナー代わりになりそうだ。詳しくは別にHPを作ってご紹介する予定である。面白い遊びを見つけた。

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バラ 日比谷公園

ここまでくるのに1日かかった。まあ、使えそうだ。ショップでデジタル化するとコストがかかるし、スキャナーは高いし困っていたが、これならコストはかからない。

有栖川公園 派手な車
有栖川公園と広尾の町を歩いた。外人が多いおしゃれな町だ。




クラシックカメラの物語


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