一眼レフは近接撮影に威力を発揮する。船橋市の家の近くには、未だ畑があって被写体には事欠かない。草創期の一眼レフにフィルムを入れて、路傍に咲く花を撮り比べてみた。
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| 春紫苑(ハルジオン)'11.06.01 |
姫女苑(ヒメジョオン)'11.06.13 |
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| Pentax SV+Super-Takumar55mm |
Exakta VXⅡ+Biotar58mm |
ハルジオンとヒメジョオンである。いずれも初夏の花だが、ハルジオンの方が2週間ほど早く咲く。どこにでも有るありふれた雑草で、見分けがつかないほどよく似ている。
ハルジオンは少しピンク色がかかり、つぼみは下に垂れる。ヒメジョオンは純白で、つぼみはシャキッと上を向く。茎を折ると、ハルジオンは中空だが、ヒメジョオンは芯がある。いずれも北アメリカ原産の外来種だが、何となく優しく、懐かしい感じがして、私の好きな花である。
ペンタックスはペンタプリズムとクイックリターンを搭載した日本製一眼レフのベストセラー。
エクサクタは、1950年代後半に登場した東ドイツ製の一眼レフで、ペンタプリズム初期のカメラである。シャッターを切るとミラーが上がってしまい、ファインダーは真っ暗になる。 |
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| アヤメ '11.05.18 |
花菖蒲 '11.06.11 |
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| PraktinaⅡa+Tessar50mm |
Miranda DR+Industar61 |
アヤメと花菖蒲もよく似た花だが、こうして並べてみると違いがわかる。アヤメは乾いた土地、花菖蒲は水が好き。アヤメは5月の中旬、花菖蒲は6月になってから花が咲く。花は花菖蒲の方が大きい。カキツバタもよく似ているが、花に網目が無く白いスジが入る。
プラクチナは東ドイツKW社の高級一眼レフ。クイックリターンではないので、シャッターを切ると真っ暗になる。ミランダは日本で初めてペンタプリズムを付けた一眼レフ。上のカメラにはM42アダプターを介して、ロシアのインダスター61というマクロレンズを付けてみた。
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| ヘラオオバコ '11.06.01 |
ケキツネノボタン '11.06.01 |
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| PentaxSV+Super-Takumar55mm |
ヘラオオバコは気をつけていると、ちょっとした草むらならどこにでも生えている。よく見ると、大変かわいい形をしていて、フォトジェニックだ。
キツネノボタンは名前がわからず苦労したが、ネットで親切な方が教えてくれた。水際に目立たなく咲いているのだが、実がトゲのついた丸い玉になるのがかわいい。普通は黄色いらしいが、私が見つけた花は白かった。類似の植物がたくさんある。この花は毛深いのでケキツネノボタンらしい。
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| 紫御殿 '11.06.13 |
野薊(のあざみ) '11.06.13 |
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| Exakta VXⅡ+Biotar58mm |
家の近所の植え込みに無造作に咲いている。紫色の葉が印象的で、前から気になっていた。雨上がりにふと見たら小さな花が咲いていた。野草を調べるネットで質問したら、すぐに紫御殿だと教えてくれた。凄い人がいる。私の図鑑で調べても出てこない。別名パープルハートというのだそうだ。
薊(あざみ)は誰でも知っている。バタ臭い姿からは想像出来ないが、正真正銘の日本原産種で、キルシウム・ヤポニクム(Cirsium Japonicum)と学名に日本が入っている。種類が多く、写真の野薊のほか野原薊、山薊、森薊などがある。でも何で花の名前に魚が入っているのだろう。
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| 未央柳 '11.06.05 |
ギガンチューム(花葱) '11.06.05 |
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| Miranda DR+Soligor50mm |
未央柳は別名美女柳とも呼ばれる。家の垣根によく植えられている。美しい花だ。特に写真に撮ると、長い雄しべが華やかで、より印象的に写る。
ギガンチュームはなんとも不思議な花だ。日本名を花葱という。ウーン、確かに赤い葱坊主だ。かなり存在感のある花である。
このミランダには、明るい標準レンズのソリゴール50mmF1.9を付けて撮った。明るい上に全自動絞りなので、非常に撮りやすい。
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| 白詰草(シロツメクサ) '11.06.20 |
赤詰草(アカツメクサ) '11.06.20 |
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| PraktinaⅡa+Tessar50mm |
詰草は江戸時代にオランダから、ギヤマンの器の梱包材としてやってきた。だから詰め草である。日本古来から有る野草だと思っていた。それほどどこにでも生えている、おなじみの野草だ。白も、赤も同じ草で、色変わりだろうと思っていたが、よく見ると花の付き方が違う。白詰草は、花の下に長い茎が伸びるが、赤詰草は、葉の上に花が乗っている。種が異なるのである。
白詰草はクローバーだが、赤詰草は特にレッドクローバーと呼ぶ。紛らわしいのは、白い赤詰草があることで、白花赤詰草というややこしい名前になる。アカツメクサはデンマークの国花でもある。
前述のように、日本の幕末史に詰草が顔を出す。弘化元年(1844)オランダ国王ウィレム2世は、12代将軍徳川家慶に開国を勧める親書を送るが、同時にギヤマンの器を贈呈した。そのギヤマンの梱包材として、詰草が用いられていたのだ。国王親書は弘化元年、ギヤマンの器は弘化3年に江戸に届いたという。
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| 萼紫陽花(ガクアジサイ)'11.06.20 |
紅額(ベニガク)'11.06.20 |
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| PraktinaⅡa+Tessar50mm |
萼紫陽花は日本が原産地で、紫陽花の原種であるという。外側の大きな花にはシベがない。従って実が出来ない。中央の小さな花の固まりから、シベが出て結実する。普通の紫陽花はこの実が出来ない花が、全体を覆ってしまったのだという。不思議な進化だ。
赤いのは萼紫陽花の色変わりだと思ったら、これも紅額という異種だという。こちらは山紫陽花の園芸品種らしい。
ちなみに紫陽花という文字は、唐の詩人白楽天が、リラ(ライラック)の花のことを、紫陽花と詠んだのだが、平安時代の学者源順(みなもとのしたごう)が、今で言う百科事典「倭名類聚抄」をまとめる時に、花を間違えたという。だから中国ではアジサイのことを、八仙花という。
美しい花とはうらはらに、非常に強い毒性を示す有毒植物でもある。間違って口に入れると、痙攣などの中毒症状を起こす。ただ薬にもなり、漢方の八仙花は利尿剤として使われ、マラリアの特効薬とされる。
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| ねじ花(もじずり)'11.06.28 |
紫君子蘭(アガパンサス)'11.06.28 |
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| Kine Exakta+Biotar58mm |
母が好きだったねじ花。地味な花だが、よく見るとかわいい。何故ねじりながら花が着くのか。別名捩摺(もじずり)という。みちのくの忍ぶもじずり、、、、と古歌に詠まれた。
紫君子蘭は、アガパンサスといった方が通りがよいかもしれない。根が太く丈夫なので、土手や傾斜地に植えると、土砂の流出を防ぐという。
カメラはキネエクサクタ。世界初の35mm判一眼レフである。標準レンズが暗いので、明るい自動絞りのビオター58mmを付けて撮った。
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