クラシックカメラ銘々伝
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フジペット万歳
 
 Fujipet

フジペットは富士写真フイルムが1957年(昭和32年)に発売した子供向けの入門機である。当時の価格は1,950円であった。しかし、デザインは東京芸術大学の田中芳郎氏で、入門機らしからぬ洗練されたデザインが評判になった。

ブローニーフィルムを使う6×6判カメラだが、大好評を博して売れに売れたらしい。この好評に気をよくしてもう少し高学年用に、35mm判のペット35を1959年に発売する。価格は4,100円であった。この両機種はよく売れたのだが、入門機としてあまり大事に使われなかったようで、中古市場にはほとんど出回らない。

 ペット35 (1959年)
 
 Pet 35+Fujinar-K 45mm F3.5

このカメラはAJCCの先輩K氏に譲っていただいたカメラである。初代フジペットに比べて価格は2倍になったが、機能は数倍向上している。シャッターは単速から、なんとコパル製になり、B、25、50、100、200の本格派。レンズもF11の単玉から、3群3枚構成のフジナー45mmF3.5と格段の進化を遂げている。

デザインは同じ田中芳郎氏で、初代の雰囲気を上手に残している。レンズ鏡胴に出ている左右のレバーで、シャッターのチャージとレリーズをするのは初代と変わらない。この二つのレバーは、ちょうど子供が万歳をしているようでとても可愛い。

張り革はブラック、レッド、グレーなどのバリエーションが用意された。写真のカメラは上品なブルーグレーで、なかなかシックである。

 
2013年4月5日、いただいたばかりのペット35を持って、新宿御苑の名残の桜を撮りに行った。
(クリックすると大きくなります。)
新宿御苑 大島桜
ファインダーがとても明るく撮りやすい。左手でチャージ、右手でレリーズという動作も、軽快で気持ちよく撮影できる。1齣巻き上げるとストッパーがかかる。シャッターを切ったら、後ろのロック解除レバーを右にスライドさせてロックを外し、巻き上げる。

満開の一葉 関山
新宿御苑には桜の種類が多い。今年の春は早く、染井吉野は3月末には散り始めてしまったが、遅咲きの一葉、関山、八重紅しだれなどが、美しく咲き誇っていた。緑の葉がかなり濃くなった大島桜も、存在感を一段と増していた。

このカメラは目測ながら40cmまでの近接撮影が出来る。慎重にピントを合わせれば、ご覧の通り。咲き始めた関山の八重の花を、しっかりと撮ることが出来た。

八重紅しだれ 八重紅しだれ
楽羽亭という茶室の庭にある2本の八重紅しだれ。福島の三春滝桜と同じ品種の桜だ。

撮り終わったら、ロック解除レバーを右に押しながら巻き戻す。子供用にしては、左右のノブがWIND、REWINDと英語表記なのが気になる。


クラシックカメラの物語


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